春の陽気に包まれた和歌山・南紀の海。水温の上昇とともに活性が上がり始めるこの時期、アオリイカ狙いの釣行へと向かいました。
今回選んだのは、人の少ない地磯で“岩礁帯×海藻エリア”という知る人ぞ知る穴場ポイント。見た目には何気ない場所でも、そこには大型の春イカが潜んでいました。
釣行時間は14時から19時、小潮潮回りで渋いながらも、なんとかオス・メス合わせて2杯で合計4kg超という釣果に恵まれました。(今年の穴場はすこぶる厳しい)
本記事では、釣果に繋がった戦略やこだわりのタックルセッティング、そして当日の海の様子を、お伝えしていきます
- 春イカ狙いの穴場釣行をレポート|和歌山南紀のアオリイカ釣果
- 使用したヤエンタックル・仕掛け詳細
- 和歌山アオリイカ釣行で実感した攻略ポイント
- 和歌山アオリイカ釣りの穴場を見極めるには?
- まとめ|春の和歌山で大型アオリを狙うならココ!
春イカ狙いの穴場釣行をレポート|和歌山南紀のアオリイカ釣果
- 穴場で春イカを狙う前に腹ごしらえ
- 潮回りは小潮でもOK?当日の潮汐・時間帯
- 釣行場所の環境とポイント選定の理由
- 春イカは岩礁帯+海藻地帯に潜む!
穴場で春イカを狙う前に腹ごしらえ
朝に自宅を出て昼過ぎに餌屋さんに到着し、活きのいいアジ8匹を調達。
すぐにポイントへ行っても良かったんですが、ここは先ずは腹ごしらえから…。白浜のエサや近くにある食堂へ。

大体はいつもだし巻き定食w
去年よりだし巻きが小さくなって値上げされてる!
その代わり刺し身が付いてたので、きっと卵を切らしたのか、刺し身をハケさけたかったのかどちらかだと思う。
物価上昇でだし巻きが小さくなったのなら問題だな。
また行って確かめたい。
ヤエン釣行の前の腹ごしらえにはうってつけなので皆さんも「袋食堂」へ行ってみて下さい。
だし巻き定食が700円です。(卵焼き定食というと店主にだし巻き定食と言われます)
潮回りは小潮でもOK?当日の潮汐・時間帯
春の和歌山・南紀。
午後の陽が穏やかに差し込む中、14時にポイントへと到着しました。
潮回りは小潮。
この日は全体的に潮の動きが早くて、左にアジをキャストするとすぐに右に流され、ラインメンディングが必要となり、初心者にはやや難しいかもしれませんが、春イカ狙いのヤエン釣りでは十分に成立する条件です。

開始直後は潮が速すぎて、エサのアジも油断をすると浮いてしまう状況。
このまま日が暮れるかと思われた17時過ぎ、ようやく潮がわずかに緩み始めました。
それに呼応するかのように張っていたラインに違和感が走り、待望のアタリが到来。
まさに“潮のわずかな変化”を見逃さないことが、春イカ攻略では欠かせない視点であると、現場で改めて実感することとなりました。
釣行場所の環境とポイント選定の理由
今回選んだのは、岩礁帯に大きな岩が点在し、底には海藻が広がる“通好み”の地磯ポイント。
車横付けができない場所のため、荷物を背負子で担いで10分ほど歩く必要がありますが、そこには釣り人がほとんど来ない“穴場”の環境です。
このポイントを選んだ最大の理由は、春イカが好む“岩礁×海藻”という環境が揃っており、適度な水深があること。
また、この時期天候によって目まぐるしく変化する気象要件による南よりの風や、北西風に対応できる点や、地形が複雑で他の釣り人が避けがちなため、プレッシャーが低く、居付きの大型イカが狙える可能性が高いためです。
春イカは岩礁帯+海藻地帯に潜む!
実際、アジを泳がせていると、何度か海藻に引っ掛かる感触がありました。底には少し硬めの藻場が広がっており、その中にアオリイカが身を潜めていると考えられます。
1杯目のヒットは15時20分頃。風が少しだけ冷たくなり始めた時間帯、海藻帯の切れ目を意識してアジを送り込むと、それまで「トントントン…」と規則的なアジの動きが急に不規則な動きに変化。
「ギューン ギューン・・・」
次の瞬間、まるで予感したかのようにスッと穂先が押さえ込まれラインが走り出しました。
最初は優しくテンションを加えていき、穂先から順番に曲がるようにボーダレスを操ります。
特に最初は、強く引き過ぎないように細心の注意を払いながら引き寄せに掛ります…。。
大型はできる限り、その場から走らせないで獲る。
また、アオリイカに違和感を与えない為に、あえて「ぐーっと引っ張ってテンションフリー」これを2~3回入れて強く抱かす事を意識します。
確実にヤエンに掛ける為、できる限り寄せます。

竿3本ほど先に薄っすら茶色い個体が見えました。
重さからしてキロ中盤サイズ。
ベールを起こしてロッドを後方に倒し、ヤエン投入の準備をします。
ヤエンの前方の支柱より糸を掛け静かにヤエンを投入。
ヤエン投入後はすぐに引寄せはせず、ヤエンを送り込む事に注視する
「そろそろかな?」
2~3回張って緩めてを繰り返し、アオリイカへヤエンを跳ね上げます。
リールを巻く手にも力が入り、ピンと張ったラインに生命感のある重みが伝わってきた瞬間、フッキング!
春イカらしいズシリとしたパワフルな引きを楽しんで1ハイ目は1560グラムのよく肥えたメスのアオリイカをランディング!
2杯目は18時30分頃。やや沖の岩の影から突然のアタリ。
こちらも慎重に寄せて、しっかりとフッキング。

こいつはさっきのアオリイカよりも更にパワフル!
強めに締めていたBBXラリッサのドラグを滑らすパワーの持ち主でした。
最初は1ハイ目と同じくらいのサイズと思いきや、ヤエンが針掛りした瞬間すさまじいトルクで楽しませてくれました!
ようやく今季初の2465gのオスのアオリイカを捕獲。
2465gのオスのアオリイカと1560gのメス、合計4kg超という春イカらしいサイズ感ある釣果となりました。
使用したヤエンタックル・仕掛け詳細
- こだわりのロッド&リール構成(ボーダレス×BB-X)
- ライン・ヤエン・フックなど各パーツの選び方
-
死にアジの使い方とアプローチ方法
こだわりのロッド&リール構成(ボーダレス×BB-X)
使用したロッドは「ボーダレス4.6MH改」、リールは「BBXラリッサ」。音出し改造は施しておらず、アタリをアタリ鈴と竿先の動きで見極めるスタイルです。
このロッドは張りとしなやかさのバランスが絶妙で、ヤエン投入時の精度が高く、重い個体でもしっかりと浮かせる力があります。
幹径が細いため風の影響を受けにくく、4.6メートルというセッティングも、生え根のある地磯では大きな利点となりました。

画像引用元:シマノ公式サイト
ライン・ヤエン・フックなど各パーツの選び方
ラインは「アトミックスライダー セミサスペンド 12lb」。
比重が軽めで沈下速度が適度な上、水中でたわんでもアタリが明確に伝わりやすいのがナイロンラインの特徴で、根掛かりしやすいポイントでも管理がしやすい。

ヤエンはローラー式の跳ね上げストレート仕様。
大型個体にもフッキングが決まりやすく、取り込み率が非常に高い。
フックは「カツイチ社のヤエン替え針M」を使用。刺さりの良さと強度を両立しており、大型のバラシ防止にも繋がります。
死にアジの使い方とアプローチ方法
今回は、釣行中に弱ってしまったアジをあえて“死にアジ”として使用するシーンもありました。
死にアジは動きがない分、アピール力が落ちる一方、海藻帯ではナチュラルに漂うためむしろ効果的なことも。
フック位置を工夫し、根掛しにくいようにしてゆらゆら漂わせると、アタリが出ることも多いです。“活きが命”という思い込みを捨てることも、春イカ攻略には必要かもしれません。
和歌山アオリイカ釣行で実感した攻略ポイント
- アタリの出方とフッキングまでの流れ
- 岩礁地帯の根掛かり対策と海藻のかわし方
- 春イカに有効な誘い方・アクションとは?
アタリの出方とフッキングまでの流れ
春イカはとても慎重で、アジに興味を示しても、すぐに抱きつかずに警戒しながら様子をうかがうことが多いです。
今回も、最初はそっと触れただけで離れていくようなアタリが何度も見られました。
そのため、必要であれば手持ちでロッド操作し、ラインの動きや違和感を見逃さない事が求められました。
大型を確実に獲るにはできる限り寄せる事が重要になってきます。むやみやたらにヤエンを投入すると海底の藻やシモリの餌食になってしまいます。
初心者の人ほどこの時期は少し重めのヤエンを使用し、海中でも確実にヤエンを進行さす事に重点を置く事がなにより重要。
また、大型ほどやわな磯竿で合わせても、ロッドに力が吸収されてしまいアジを上手く放してくれない場合が多く、バラシに直結するため、アオリイカがしっかりとアジを咥えて離さない状態で引寄せてくるようにしましょう。
最悪、足元でも放さない場合は、ロッドとラインが直角になるようにし、アオリイカの目玉が海中から出るかでないか位まで吊り上げるとアジを放しヤエンに掛ります。(この時、脇を締めてヤエンがフラつかないようにする)
獲る事を最優先にし釣果を伸ばしてください。
岩礁地帯の根掛かり対策と海藻のかわし方
海藻帯では、エサが引っかかりやすく、アジの動きが制限されがち。
キャスト後はほったらかしにせず、常に竿先のアジの動きをチェックするのがコツです。
また、ラインのテンションを緩めすぎないことで、常にアジの泳ぎが手に取るようにわかるでしょう。
春イカに有効な誘い方・アクションとは?
春イカは大型個体が多いため、派手なアクションよりも、“じわっと見せて食わせる”ナチュラルな誘いが有効です。
例えば…
- アジを海藻帯の切れ目に止める
- ゆっくりと引き戻す
- 時折ロッドで軽く誘いを入れフラッシング
このような“静のアクション”が、少し離れてアジの存在に気付いていないアオリイカや、捕食モードに入っていないアオリイカにリアクションバイトさす事も有効です。
今回もこれらの誘いが釣果に繋がりました。
和歌山アオリイカ釣りの穴場を見極めるには?
- エギング・ヤエン両方で狙える地形とは
- 和歌山で車横付け可能な釣り場は?
- 初心者でも狙える南紀の“実績ポイント”
エギング・ヤエン両方で狙える地形とは
地磯などで見られる岩礁+藻場エリアは、ヤエンにもエギングにも最適。特に潮通しが良く、根掛かりをかわしやすい“かけあがり”や“ワンド”は絶好のポイントです。
潮が効いていない時間帯はエギング、効き始めたらヤエン、と使い分けるのも有効です。
和歌山で車横付け可能な釣り場は?
車をすぐ横に停められるポイントも南紀にはいくつか存在します。
- すさみ周辺の漁港
- 串本エリアの護岸ポイント

ただし、こうした場所は人が多く、プレッシャーも高め。あえて少し歩いて“人が避ける場所”を選ぶのも、春イカ攻略の重要な視点です。
初心者でも狙える南紀の“実績ポイント”
田辺市の天神崎の堤防&地磯:足場がよくファミリーにも人気。地磯も歩きやすく入門向きです。
串本の地磯:干潮時は足場も出て、安全にエントリー可。しかしながら潮汐は要チェック!初心者は渡船を使うのも大物への近道かも。
これらは実績がある反面、釣り人が多い傾向にあるため、タイミングや時間帯をずらす工夫が必要です。
まとめ|春の和歌山で大型アオリを狙うならココ!
今後の釣行に向けたアドバイス
春は一発大物が狙えるシーズンですが、潮の動き、エサの扱い、なによりもポイント選定のが重要な要素になります。あなたにとって大物と出会うためには釣行前にポイントを吟味することが大切かもしれません。
アオリイカがよく釣れる時期と時間帯
和歌山では、春(3〜5月)と秋(9〜11月)がアオリイカのベストシーズン。時間帯は潮の動きがある朝マヅメ・夕マヅメが圧倒的に有利です。
また、夜釣りの場合は、上弦下弦で上げ潮有利か下げ潮有利なのかも変わってきます。
ただし、産卵期の春イカは夜釣りよりも昼釣りに軍配が上がるケースが多く、これは潮の動きに基づいていると考えられます。

今回のような夕方から日没にかけての時間帯は、特に大型の実績が高いため、ぜひ意識して狙ってみて下さい。
コメント